在庫の有効活用
このように、拠点集約という取り組みは物流コストのみならず、
在庫の有効活用という点でも大きな効果を発揮するわけです。
基本的に、在庫を流通段階には配置しないという仕組みとしては、
もう一つ「クロス・ドッキング」というやり方があります。
拠点集約
既存の納期の中で拠点集約を行う場合、
このように時間を有効活用するという方策が採られます。
在庫の有効活用を図る拠点集約は、コスト削減だけでなく、
在庫の有効活用にも効果を発揮します。
言うまでもありませんが、物流拠点の数が多いと、その分在庫が分散します。
この場合、必然的に、在庫をどう分散配置するかという課題が生まれます。
この配置がうまくいかないと、物流拠点に過剰在庫ができたり、欠品が生じたりします。そのようなムダを生まないために、在庫補充システムが活躍するわけですが、
在庫を置く拠点の数を絞り込んでしまえば、そのような問題は一気になくなります。
先ほどの例で言えば、6ヵ所に在庫を配置するよりは、2ヵ所に在庫を配置する方が、
間違いなく在庫の有効活用を図れるということです。
各地に輸送
高速道路を使って各地に輸送すれば、翌日の朝には本州内ならどこにでも到着できます。到着した先に、小型の配送車に積み替えるスペースがあればいいのです。
大型車で送られてきた注文品を配送用の小型車に積み替えるわけです。
積み替えて、配達に出発すれば、これまでと同じように翌日配達が可能になります。
つまり、24時間あるいは36時間という納期をフルに活用することで、
納期内に遠隔地までの配送を可能にするわけです。
現行の納期のまま
物流拠点のコスト削減について考えます。
たとえば、こういう事例があります。
毎日お昼に注文を締めて、翌日午前中あるいは
翌日中に納品をするという納期の会社があったとします。
この納期を守るために、
この会社は全国8ヵ所に在庫を持った物流拠点を持っていました。
この会社で拠点集約が物流コスト削減テーマとして取り上げられました。
具体的には、現行の納期のままで本州内にある6ヵ所の拠点を
2ヵ所にしようという取り組みです。
これまでは、午前中に受けた注文を各地に置いた物流拠点で午後に出荷作業をし、
翌日の朝から配達に回るというやり方をしていました。